碓氷川
碓氷峠直下の群馬県側水源地の池から流れ出し、高崎市で烏川に注ぐ。烏川は更に利根川へと注ぐ。水源地の池の脇には水神の碑相馬御風歌碑とが並んでいる。水源地は碓氷峠熊野皇大神社前を過ぎ、坂本宿方面に徒歩3分程のところにある思婦石のすぐ手前を右に下るとあるが、石段と坂の道で、足元が悪いのでサンダル等は不適。

碓氷貞兼
橘貞兼とも云い、源頼光に仕えた四天皇の一人碓氷貞光(平貞光)の父。この貞兼と貞光を祭った小さな社が
碓氷貞兼霊社

碓氷貞兼霊社
碓氷貞兼と貞光父子を祭った小さな赤い社で、旧碓氷峠を群馬県側に少し下ったところにある。傍らに一つ家の歌碑

碓氷貞光
碓井貞光、平貞光、碓氷定光等の別称がある。いずれにしても、
碓氷峠付近の山中(霧積山付近か)で碓氷貞兼の子として954(天暦8)年に生まれ、四天王の一人として源頼光に仕え、大江山の主呑童子退治に活躍したといわれている。その後碓氷峠で村人や道行く人々を悩ませた大蛇を、十一面観音のご加護を受けながら大鎌で退治したと伝えれている。安中市松井田にある碓氷山定光院金剛寺の縁起には、『源光頼光に従い、四天王として武勇のほまれ高い碓氷定光は、碓氷山中毒蛇が跋扈し村民が難渋しているのを見て、弘法大師自作の護持仏十一面観音に祈願し、峠に登ると毒蛇に襲われたが、十一面観音の庇護により大蛇を調伏させた。この時、守り本尊を祀り、蛇骨を納めるために開基したのが当寺である。・・・』とある。峠の力餅は、この貞光の強力ぶりから名付けられたもの。

碓氷貞光の力石(試石) → 
峠の力石

碓氷貞光霊社
二手橋方面から県道を旧碓氷峠に向かうと峠の少し手前、町道三度山線との分岐点山手にある小さな石の祠。
碓氷貞光霊社記には、「碓氷貞光は当碓氷峠出身の武将である 姓橘氏 代々文武の誉れ高い家柄であった 幼くして父母をと喪い父の遺言『立派な武将となって家名を挙げよ』を守り山野を馳せて身体を鍛え武術を練り学問に励んだ 長じて源頼光に仕え大江山の鬼退治などで手柄を立て 坂田金時 卜部秀武 渡辺綱と並んで頼光の四天王の一人として勇名天下に轟いた 前太平記 この零社は碓氷貞光慰霊の為峠の社人により江戸時代に建てられたものである 尚父定兼の社は上州分社地大武士沢に在る」と記されている。

碓氷新鉄道
1893(明治26)年4月1日に開業した、後の信越線横川−軽井沢間のこと。当時の官営鉄道、直江津−高崎線は、1884年に高崎−横川間、1888年に直江津−軽井沢間が開通していた。ところが横川−軽井沢間は急勾配であったために、最後まで残されていた。
アプト式ラックレールを採用するなど、様々な工夫と努力により完成したが、人的被害も大きく、後の維持管理も大変であったという。

碓氷新道
1884(明治17)年に開通した現在の
国道18号。この開通により旧中山道 軽井沢宿は宿場としての使命を終えることとなった。旧中山道と国道18号は、現在でも旧道、新道と呼ばれている。また旧軽井沢地区を旧道、新軽井沢地区を新道と呼ぶ場合もある。

碓氷峠 
頂上は長野県と群馬県の県境になっており、旧
中山道もここを通っていた。熊野権現(熊野皇大神社熊野神社)が祀られており、この神社を中心とした集落が峠町。県境を跨ぎそれぞれの県の地籍になっているが、群馬県側からの車道は無い。旧中山道を辿ると、上州坂本宿からは13km、軽井沢宿からは3kmの位置にあり、頂上の標高はおよそ1,200m。付近には見晴台や様々な文学碑、記念碑等があり、遊覧歩道も整備されているので、散策の適地。国道18号の峠も碓氷峠だが、一般に碓氷峠、旧碓氷峠、峠、峠町と言えば、こちらの峠を指している。

碓氷峠見晴台
写真
旧中山道碓氷峠近く南側にある標高1,205mの展望台。長野・群馬県境に位置し、眺望が素晴らしく、離山浅間山、八ヶ岳などがよく見える。戦国時代には狼煙台であったと言われている。雄大な展望を広く世に紹介するために、1919(大正8)から近藤友右衛門が開き、1957(昭和32)年に当時ただ一つの町立公園として、軽井沢町に寄贈したもの。敷地内には万葉集歌碑近藤翁頌徳碑タゴール記念像等が建立されている。

碓氷峠遊覧歩道
写真
旧軽井沢二手橋付近と碓氷峠見晴台とを結ぶ遊歩道。旧軽ロータリーから旧軽井沢銀座商店街を過ぎ、二手橋を渡ってしばらくのところにある遊覧歩道入口案内板を右に入る。沢に沿って道はゆるやかに登るが、春は新緑とコブシやヤマザクラ、秋は紅葉が見事。途中、吊り橋と三度山林道を渡る歩道橋あたりまでは少し急な道だが、その後はゆるやかな登りの道を行けば見晴台の脇に出る。旧軽ロータリーから遊覧歩道入口までは約20分。遊覧歩道は距離約2.5km、標高差200m強、ゆっくり歩いても1時間程の行程。この道は大正時代に出来たとのこと。

内田康夫
軽井沢町在住の推理小説作家。作品は、「天河伝説殺人事件」「佐用姫伝説殺人事件」「隠岐伝説殺人事件」「恐山殺人事件」「十三の墓標」「王将たちの謝肉祭」「上野谷中殺人事件」「菊池伝説殺人事件」「森の都殺人事件」「
軽井沢殺人事件」「讃岐路殺人事件」「追分殺人事件」「耳なし芳一からの手紙」「浅見光彦殺人事件」「盲目のピアニスト」「三州吉良殺人事件」等多数。

内村鑑三資料展示室
軽井沢を愛し、芸術自由教育講習会で講師を務めるなど縁の深い内村鑑三に関する資料を展示している。直筆の書や手紙などもあり、自由と平和を重んじたその思想と活動の一端にふれることができる。
石の教会 内村鑑三記念堂の地下に併設されている。 → 記念館・資料館・博物館・美術館・文庫

「埋もれ火」
軽井沢町在住の推理小説作家、
内田康夫による軽井沢を舞台にした短編小説。「軽井沢の霧の中で」に収録されている。

ウワミズザクラ(上溝桜)
バラ科サクラ族の落葉高木。春、房状に白い花を付ける。花と実は食べられるという。
五島茂・美代子夫妻歌碑を守るように立っているのがこの木。 → 野草・花・樹木

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